【えっ!?こんなことしてたの?戦国時代の合戦の流れを徹底解説】

かぶと

★ 戦の流れ

 軍評定(いくさひょうじょう)

・ 合戦の前に家臣一同を集め、意見を求めた作戦会議


敵勢力が侵攻してきた場合や、敵国に侵攻する場合といった軍事的な行動について、家臣一同を集め、意見を求める作戦会議。
最終的な結論を出すのは大将(主君)で、この会議で「出陣先の選定」や「籠城か」、「迎撃か」もしくは、「第三勢力に援軍を頼むか」、「和睦」といった大方針を決定していた。

 動 員


領地に戻った家臣達が村ごとに軍役を実行する。


 戦評定によって戦の方針が決定すると、家臣の身分に合わせた兵の動員が行われた。
家臣達は知行地、あるいは領地に戻って配下の地侍に命じ、領地の住民に割り当てられた軍役を実行させた。人数は村ごとに決まっており、経験者や大柄で体力のあるものは長柄組、年をとっていたり体格に劣るものは陣屋、作の普請といった形でそれぞれ一定の訓練を受けた。
 また、常雇(足軽)は陣触れ(陣中で出す布告)に従って編成され。それぞれ領主の「頭」として、集結地に向かった。

 集 結

格軍、騎馬武者や足軽などに分かれ、大将は家臣の参加者の名などを記した帳簿(着到帳ちゃくとうちょう)を確認して軍を編成する。


 主君の居城が集結地である場合、それぞれ身分によって人数を定めた着到帳を軍奉行に差出、承認を受けた。
 戦国時代の末期には、騎馬武者ひとりに対して、徒歩の者は武者と足軽、雑兵を合わせて10倍以上が基本となった。そのなかには戦闘員だけでなく小荷駄を扱う輸送を行う雑卒兵、鍛冶や甲冑などを修理する職人、料理版、馬の世話役、大工など戦闘以外の任務に関わるものが1/3ほどをしめていたという。

 出 陣

軍師が吉凶を占い、出陣式により勝利を祈願する。


 出陣にあたって、軍師が出兵の吉凶を占い、吉日、吉方を選んで行った。(詳しくはコチラ
 また、出陣の時には出陣士岐を行い、打ち鮑・勝ち栗・昆布を肴に三献の儀式に続いて、場合によって「血祭り」を行う。敵の捕虜がいる場合などにはその首を跳ね、夜叉、軍神に勝利を祈願した。
 そして、士気を高める目的で「鬨の声」をあげるが、この場合は左から右に挙げ、逆は不吉とされていた。

 陣 営

戦場に陣屋を立て合戦が終わるまでの生活の場所を作る


 軍が戦場に着いたらまず最初に、野営の陣を張る。本陣の周りに幔幕(まわりに張りめぐらす幕)を張り、連れて来た大工に大将や侍大将といった幹部達のための陣屋を建てさせる。
 これは合戦が終わるまでの生活の場所であり、また大将の陣屋は、軍評定が開かれる重用な設備となった。

 布 陣

敵勢の規模や装備、また周りの状況によって陣形を整える。


 陣営をはった軍はまず、敵陣を物見(偵察)を放った。また、物見には下記の種類があった。

小物見…敵の出現を見張るった物見
中物見…ある程度の戦力を有し、敵の勢力圏内まで踏み込んで強行偵察を行った物見
大物見…敵の軍勢と戦ってみてその戦力を推し量った物見

 物見の上手い下手は合戦の結果にも影響したため、物見が上手い武将は重用しされ、甲斐の戦国大名・武田信玄の物見として活躍した、真田昌幸と足軽大将の曽根昌世は、物見の名人として信玄から「我が両目」と呼ばれ重用されていた。

 物見の結果、敵の動向が明らかになれば、予定戦場に進んで布陣する。このときにも、敵勢の規模や装備、周りの状況によって取るべき陣形が変わった。
守りを固めるなら「方円の陣」や「衡軛の陣」、攻撃を主体とするなら「魚鱗の陣」や「蜂矢の陣」、味方が大勢なら「鶴翼の陣」、戦況によってどのようにも対応可能な「雁行の陣」といった陣形に布陣する。

 鉄砲戦(射撃戦)

 古来からの戦いでは合戦の合図として、鏑矢を放ったり、一騎打ちから始まることが多かったとされているが、戦国時代になるといきなり射撃戦から始まることが多かった。
 両軍、射程距離に接近するまでに、竹束や鉄張りの盾などの防御用具を使用して進軍し射程距離に入ると矢を放った。また、鉄砲が普及すると矢の代わりに鉄砲を使用することも増えた。
 鉄砲は1度打つと装填に時間がかかるため、1度打った者は後方に下がり、玉を装填し再び前面に出て発砲するのを繰り返した。そのため、その隙間を埋めるために弓隊が配置されており、鉄砲射撃の間に弓を射た。

 槍合わせ

 射撃戦が一通り終わると、今度は後方に控えている長柄組(やり隊)の足軽が、押し太鼓や鐘に併せて全身し、敵の長柄槍と激突する。
 長柄槍は突く武器ではなく、声を合わせて振り上げ、叩き伏せたりする。また、長柄槍同士を絡ませて、ねじ伏せるなどの戦いを繰り広げる。やがて力の差がでてきて、一方が押され気味になってくる。そうすると大将が体勢を整えるため再び指示し、穂先を揃えて突撃する。(槍衾)こうして敵の陣形を崩し、味方のための血路を開く。

 突 撃

槍合わせの際に敵の陣形に崩れが見れれば、そこに騎馬武者や徒歩かち武者(馬に乗らない侍)が突撃する。
長柄槍のあいだをすり抜け、あるいは押し崩すなどして敵の布陣に押しかかれば、敵も武者が出て防ぎにかかる。その間、戦況によっては騎馬武者が突撃し、「乗り切り(敵を分散させて追い討つ戦術)」、「乗り崩し(相手をかく乱させ、そこに歩兵を突入させる戦術)」などの戦法を駆使して、敵勢を撹乱させる。

 追 撃

敵勢が崩れたなら、追い討ちをかける。どれほど精強な軍勢でも、一度崩れればもろく一気に勝負を賭けることができる。しかし、迂闊に深追いすれば伏兵があったり、※殿軍の繰引きにかかって、思わぬ損害が生じることがあった。

※繰引とは…撤退を支援する殿軍を二つに分け、片方が後退する間にもう片方が敵に攻撃を加えて追撃を阻止、そして次はその部隊が後退し、後退していた部隊がもう片方を援護するというように敵の一方的攻撃を防ぎつつ撤退する動き。

 勝ち鬨

大将の音頭に合わせて、兵が鬨(士気を高める目的で多数の人が一緒に叫ぶ声)を作る。大将が右手を突き上げ「えい、えい」と叫ぶのを受けて、兵が「おう」と応える。

 論功行賞

 討ち取った首の首実検を行い、簡単な論功行賞を行った。本格的なものは本拠地に戻ってから行った。そして生け捕り人、負傷者の処理、そして新たに占領した土地があれば、それらの仕置きを終えて凱旋する。
 また、論功行賞は家臣達の忠誠心に影響するため正確に行わなければならなかった。